こんにちは 枯井戸です
最近Twitterなどで
「プロのイラストレーターさんがイラストを頼まれ値段を答えたら『何故タダじゃないんだ!』と怒られた」
「カメラマンが時間をかけて撮った写真をテレビ局が『タダで、名前も出さず、使わせてほしい』と言ってきた」
「料理家の方に『バズったレシピを本にしたいから細かいレシピ教えて。報酬は検本だけです』というメールが来た」
等々…
何かとそういうった話題が耳に入ってくるのですが皆さまはこの件、ご存知でしょうか?
そしてこれを聞いてどう思いますか?
私は底辺ながらイラストレーターをやらせて頂いているので環境上かよく耳にします
また実際言われる側で似たような経験もあるのでこのような話を聞くと当然怒りや悲しみといった感情を覚えるのですが…
平然とこのような無茶を言ってくる方がいるということは、それが普通だと思っている人達が少なからずいるということですよね
何故作品がタダだと思われてしまうのか、
何故人が頑張って生み出した物を「自分の物」として使わせてなどと頼めるのか、
何故なんの努力もしていない他人が、それで儲けるなんて話を許せると思ってしまうか…
作る側としてはありえないのですがそうじゃないとこの話、なんで?と思ってしまうらしい
これは”仕事をしたから給料をもらう”、ただそれだけの話です
まさか他の部下にも給料払ってないなんて事ないですよね? …ないよね…?
この手の話は初めて聞いた、関係ないと思った人こそよく考えてほしい内容です
まず普通に考えて数時間、何日も掛けて作り出した物を他人が我が物顔で使っていい理由があるわけないんですよ
そこにプロもアマチュアも関係ありません
あなたが数日かけて作った書類を全然知らない人が『私が作りました』と言って給料を貰っている状況です
勝手に持っていった人だけがお金を貰っていて当然あなたには1銭も入らないしあなたが作ったことは誰も知らない
例え趣味だったとしてもそれを許せる?
この話を見ていると大きくまとめて大体クリエーター業と呼ばれる業界の人達が被害を訴えているように見えます
勿論場合によりますが材料費が0円、0から何かを産み出す職業の方々というのが大きな括りのようです
恐らくイラストではなく彫刻だったら、写真ではなく絵画だったら、レシピではなく料理自体の話だったら、「それタダでください」なんて馬鹿なことは言ってこないと思います(これも偏見を含んでいると思うので申し訳ないです)
悲しいことにこの世には材料費が掛かってない=0円、実物として存在していない=価値は0円だと思っている人が一定数存在しているんです
見えない技術、形のない物は上に上げた物だけではありません
音楽だってそうですしデザイナー、プログラマーという方々も存在します
世の中にはそういう実体のないモノを作り出し販売して生きている人が沢山います
そしてそれは決して無関係な話ではないということを覚えておいてほしいです
もっと一般の方と近い話をすると少し前に話題になったのがマリオのアプリ(スーパーマリオラン)の件
無料のステージは数個だけで他は有料とかありえない!全部無料にしろ!という評価がたくさんついてしまいました
音楽アプリでもよく見かけます
無料で聞ける音楽なさすぎ!○○大好きなのに有料だった~(泣)という低評価がかなり付いています
大好きな○○に課金できんだぞ喜べよ!
アプリを作り出すのだって沢山の人が時間と労力を使っています
それはアプリを作り出すという仕事のために使われた時間と労力です
音楽だって同じ、曲を作る人がいて演奏する人がいて歌う人がいて編集する人がいて音楽は出来ています
それも仕事です
その人達にお金を払わないということはその人達は作ることで生きていけないので仕事を辞めます
そうすれば当然アプリも音楽も作れなくなってしまいますよね
もちろん趣味として歌う人作る人は残ると思います
でも歌ではお金にならないのでそれとは別で仕事をしなければ生きていけない
そうすると歌う時間は必然的に少なくなってしまう
最悪別の仕事が忙しくて歌えなくなるかもしれない
だから好きな歌手がずっと歌っていられるように、好きなゲームが続いていけるようにファンは買う必要があると私は思います
絵も写真もレシピもそんなの描いただけ、撮っただけ、作っただけと思うなら自分でやりゃあいいんです
そんなものにお金を掛けられないなら自分の時間を使えばいいだけの話です
時間がないから頼みたい!という話なら、人間には全員1日24時間しか与えられていませんし
相手の時間を消費するんだからその分お金がかかって当たり前ですよね?
あなたに取られなければその人はその時間で仕事をしてお金がもらえたはずなんですからその分の対価は支払われるべきです
音楽やアプリだってそうですよね
お金が出せないなら自分で歌って作ればいいんです
そんなの無理だよ!自分でやれないからやれる人にやってくれって言ってるんだ!
という場合、つまりそこには特殊な技術が使われているということ
その技術を習得するためにその人は自分の時間と労力を掛けています
あなたが遊んでいたり仕事で給料をもらったりした時間を勉強や練習に使って得た技術であり知識です
一般人にはないそれを使用しているのだから例え材料費が掛かっていなかったとしてもお金がかかって当たり前ですよね?
お医者さんになるために何年も医学学校で勉強したのにいざ医者になったら「お医者さんなんだから治して当たり前でしょ」と言われて無給になったみたいな話です
こっちからしたらやってらんねえよって思われて当然です
それでも払えないというのなら自分で勉強して練習してその技術を得ればいいだけです
機材を買えば良いだけです
もしくは自分の財布に似合った金額の人を探せばいいだけの話です
簡単だね
長々と書きましたが
お金を払うということは決して材料費を払っているわけではないということを理解していて欲しいです
もしあなたが誰かに頼み事をする場合には技術の価値を尊重してほしいと思います
今回はクリエーターの件で話を書きましたが幅広い意味であなたにも関わってくる問題だと思います
技術への敬意や時間への対価という意識があれば友達だからタダにして!なんてむしろ言えないはずです
今”無断転載”なんて言葉もよく耳にしますが似ているようであれはまた別の点で許してはいけない事
そちらは別記事で書ければと思います
最後に、
よくお金の払えない理由に出てくる「好きでやってるのに金を取るのか」という意見はあなたも好きな事を仕事にされてはいかがですか?で終わりだし
「予算がなくて…」に関しましては本当に知らねえから早く潰れて欲しい
お互いに気持ちよく取引が出来ると嬉しいですね!
それではまた